パリ発「コーシェ」が渋谷でショー ピカチュウとサッカーの“世代を超える愛”を表現

フランス・パリ発のファッションブランド「コーシェ(KOCHE)」は、2019-20年秋冬のファッションショーを東京・渋谷のスクランブル交差点前の渋谷ツタヤ(SHIBUYA TSUTAYA)の屋上で開催した。18年春夏の原宿通り(通称とんちゃん通り)で行って以来1年半ぶりの東京での発表。先ごろパリで披露した新作コレクションに加え、「ポケットモンスター(以下、ポケモン)」シリーズ初のハリウッド実写映画である「名探偵ピカチュウ」(5月3日に日本先行公開)とのコラボレーション商品や、日本で生産した25ルックのカプセルコレクションを披露。世界中で世代を超えて愛されているピカチュウとのコラボと、コレクションテーマのサッカーを媒介にして平和を願うメッセージを発信した。

デザイナーのクリステル・コーシェ(Christelle Kocher)は「『ポケモン』は初代のゲームを幼い頃から妹と一緒に遊んでいた思い出があり、お気に入りのアニメ作品。世代を超えて世界中の人々を引きつける魅力があり、革命的なカルチャーだと思う。会場は『名探偵ピカチュウ』の舞台になっているネオンライトの輝く都会がイメージにぴったりだった。また世界的に有名な交差点であり、音楽や映画、ゲームなどの世界のカルチャーの発信地である渋谷ツタヤで発表したかった」と語る。

コラボレーションアイテムは、映画のロゴとピカチュウのシルエットをのせたサッカーユニホーム型のTシャツ2型とキャップ1型。また日本製のレースやスワロフスキー(SWAROVSKI)のラインストーンで装飾してエレガントに仕上げたピカチュウの黄色をイメージしたドレスなども制作した。

メインコレクションは “サッカーの団結力”がコンセプト。「サッカーは性別や世代、社会的地位なども関係なく人々を一つにするスポーツ」とクリステルが語るように、サッカーの選手と観戦者の情熱や団結心などのポジティブな面を表現している。「コーシェ」は18年春夏からネイマール(Neymar)ら有名選手が所属するサッカーチーム「パリ・サンジェルマンFC(PARIS SAINT-GERMAIN FC)」のユニホームをコラージュしたTシャツやドレスなどのウエアを発表しているが、今季はフランスをはじめオランダ、トルコ、ドイツ、イタリア、メキシコ、ブラジルなどの代表チームが着用する世界14カ国20チームのサッカーユニホームをコラージュに用いた。中には日本チームのものも含まれているという。ラストには「ナイキ(NIKE)」とコラボレーションしたフリルトップスとパンツも登場させた。

日本生産のカプセルコレクションは、日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)との協業で、愛知・尾州の中伝毛織の素材、東京・両国の江戸ヴァンスによるパターン・縫製で制作したもの。サッカーボールをイメージして六角形のパネルをつなぎ合わせたジャケットは「とても複雑なパターンを見事に実現してくれた」と、クリステルは日本の技術を称賛した。

モデルはブランドが得意とするストリートキャスティングを行い、日本のインフルエンサーである、マドモアゼル・ユリア、黒田エイミ、ゴールドエリカらも起用。フィナーレでは坂本九の世界的な名曲「上を向いて歩こう(別名Sukiyaki)」が流れる中をモデルたちは手をつないで退場するなど、会場は和やかな雰囲気に包まれた。

パリコレで感じた停滞感と各国メディアの講評

死去したカール・ラガーフェルド(KarlLagerfeld)氏の追悼ムードの中、2月25日に2019-20秋冬パリ・ファッション・ウイークが開幕した。逝去のニュースはパリでも大々的に報じられ、現地紙の一面から雑誌の表紙まで、そして書店の棚はいまもラガーフェルドで埋め尽くされている状況だ。死去から数週間経過した今は、愛猫シュペットが遺産約220億円を相続できるのかという陳腐なゴシップ記事が大半ではあるが……。

偉大な巨匠がこの世を去ってもファッションがとどまることはないが、一度足を止めて過去を振り返るには良いタイミングかもしれない。特に長い歴史を持つメゾンブランドは、アーカイブを引用しノスタルジーを感じさせるコレクションが目立った。ナターシャ・ラムゼイ・レヴィ(NatachaRamsay-Levi)による「クロエ(CHLOE)」は70~90年代にメゾンのデザイナーを務めたラガーフェルドにオマージュを捧げるコレクションを打ち出した。仏紙「ル・モンド(LeMonde)」のマリー・ソフィー・ナディア(Marie-SophieN’diaye)は「ロマンチックな森と架空の海といった、魔法のような風景の中を歩き回る女性は、さりげなく官能的なシルエットで再現されている。洋服からジュエリーまで、ミックス・アンド・マッチの手法は現代女性のあらゆる場面に適応する」と評価した。しかし、仏発ウェブメディア「ファッション・ネットワーク(FashionNetwork)」のゴドフリー・ディーニー(GodfreyDeeny)は「現代的な女性性や、洗練された自信にあふれるスタイルだが、ラガーフェルドが大切にしていた“つつましさ”は見当たらない。どうやらレヴィは良い塩梅というのを知らないようだ」と少々辛口のコメント。

マリア・グラツィア・キウリ(MariaGraziaChiuri)による「ディオール(DIOR)」は50年代戦後の英国にいた力強い女性たちからインスピレーションを得て、メゾンのコードと現代的なテキスタイルを組み合わせ、引き続きフェミニストの要素が強いコレクションに仕上げてきた。「ファッション・ネットワーク」の取材に対しベルナール・アルノー(BernardArnault)LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMHMOETHENNESSYLOUISVUITTON)会長兼最高経営責任者(CEO)は「今までの中でも一番の出来だ。メゾンのデザイナーとして本当に大きく成長していると感じる」と語り、各仏メディアからの講評も上々だった。世相を反映させ、現代女性の心情を汲み取りながら、商業的にも成功を収める「ディオール」の勢いはいまだ衰える様子はない。

エディ・スリマン(HediSlimane)による「セリーヌ(CELINE)」は、前季の賛否両論が嘘のように、満場一致の高評価だ。コレクション自体もナイトシーンをテーマにした前季とは対照的に、70年代のブルジョア階級のパリジェンヌのようなスタイルがメインとなった。特にアクセサリーなどは、1945年に創立された歴史あるメゾンのアーカイブの要素を取り入れているようだ。前回スリマンを「一つの芸しかできない子馬」と批判した米ウェブメディア「ファッショニスタ(Fashionista)」のアリッサ・ヴァーガン・クライン(AlyssaVirganKlein)は「新旧の『セリーヌ』の顧客の買い物意欲をそそる素晴らしい作品。前季から今季の変貌ぶりを“おとり商法”だと言うのはやめておこう。おそらく古くからの顧客の意見に耳を傾け、彼らを優遇した結果だろう」とトゲを含ませつつ称賛した。「ニューヨーク・タイムズ(TheNewYorkTimes)」紙のヴァネッサ・フリードマン(VanessaFriedman)は「ユーモアよりも真面目なことで知られるスリマンだが、今季は前季から続いた壮大な喜劇の“オチ”をつけてきたようだ。前回彼を罵倒した、筆者を含むジャーナリストらの鼻を明かす見事なコレクション。世界が混乱する状況下で先行きを予測して結果を出すのは困難だが、彼はどの方向が正しい道か賭けに出たようだ」と率直に評価した。ストリートウエアからエレガンスへと移行する人々の心を、タイミング良くつかんだスリマンのカリスマ性は、認めざるを得ないのではないだろうか。「セリーヌ」のヨーロッパ市場のセールス担当を務める友人は、スリマンによるファーストコレクションは大幅に売り上げが落ちたが、今季は期待できそうだと胸をなでおろしていた。

今季も新しいクリエイティブ・ディレクターを迎えて一新したブランドが多々あった。「ロエベ(LOEWE)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「パコ・ラバンヌ(PACORABANNE)」で経験を積んだベテランのブルーノ・シアレッリ(BrunoSialelli)による「ランバン(LANVIN)」、「ボッター(BOTTER)」のラシュミー・ボッター(RushemyBotter)とリジー・ヘレブラー(LisiHerrebrugh)の若手デザイナーデュオを抜擢した「ニナリッチ(NINARICCI)」、「ジョゼフ(JOSEPH)」に9年在籍したルイーズ・トロッター(LouiseTrotter)による「ラコステ(LACOSTE)」。それら全てのブランドが、まるで一種の通過儀礼であるかのように「アーカイブを探求した」と語る。

現代においてアーカイブは、新しいファッションの先導役を担っているようだ。過去のデザインは遺物ではなく、未来のクリエーションの基盤となる。メゾンにおいて既存デザインの模倣という手法は、ビジネス的観点からも間違ってはいないし、新しさと古さを繋ぐさじ加減は実際難しいもの。しかし、新しいデザインや概念を生み出すというデザイナー本来の創造的欲求が満たされるのか、そして“本質的に新しいもの”が生まれているのか、筆者は疑問だ。本来、懐かしさや親しみよりも目新しさに熱狂し、未来へと向いているはずのファッションだが、リバイバルやアーカイブが幅を利かせ人々が懐古主義へと傾倒するのは、将来への希望が薄いからだろうか?アーカイブが新世代にとって目新しいデザインとして捉えられ売り上げたとしても、本当の意味でファッションが進化していると言えるだろうか?過去は未来よりも魅力的なのか……?

流行が繰り返すこととファッションの進化は別物だが、その線引きが曖昧になっている。歴史を重んじ過ぎる、もしくは数字に重きを置き過ぎるあまりに、革新的な挑戦ができず、どこか停滞しているように今回のパリコレで感じた。懐かしさに浸り過去の栄光を称えるのは手っ取り早く幸せを感じ自尊心を保てる方法だが、筆者自身はそれに多くの時間を費すのはやめておこうと思う。故きを温ねて新しきを知る。先人の知恵から学んだことは、未来のために活かさなければいけない。たとえ不安定で先行き不透明だとしても、やはり未来に期待をかけて、常に前進したいと思う。

セレクトショップの2019年春夏立ち上がり、何が売れた

有力セレクトショップのウィメンズ春の立ち上がりでは何が動いたのか?各店にアンケート調査を実施した。第3回はトゥモローランド(TOMORROWLAND)渋谷本店の安間早季子ウィメンズマネージャーが答える。
「サカイ」のサロペット

2月初旬にほかの店舗に先駆けてスタートし、仕入れ品もオリジナル品も共に好調。高単価商品が動いたため、客単価は通常よりも高い。アウターはトレンチコートが動いた。「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」の別注トレンチコートとオリジナルのトレンチコートをミックスして打ち出し奏功した。買い付けアイテムでは「サカイ(SACAI)」に好反応で、特にドットシリーズのサロペットやスカート(いずれも9万8000円)が人気を集めた。

新規導入した「ボーメ」のルックブック。2019年春夏は、太陽を浴びたヘルシーな素肌、壁や床に映る美しいシルエット、カジュアルな空気をまとうセンシュアルな女性をイメージしたという

新規導入した「ボーメ(BAUME)」のポップアップイベントも顧客にアピールできた。女性のしなやかなラインをセンシュアルに表現するブランドで、素材は上質なシルクやリネンが中心。価格帯は3万~7万円台。

雑貨は「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のサンダル(6万7000円、11万円)、「マルニ(MARNI)」のサンダル(7万6000円)、「ロエベ(LOEWE)」のかごバッグ(スモール4万6000円)が動いた。

昨年9月にスタートしたオリジナルブランド「キャバン(CABAN)」も好調で、特にコットンカシミアのパーカ(3万9000円)はシーズンを問わず動く。絶妙なサイズ感と着心地のよさ、加えてカラーバリエーション豊富にそろえたところ主力商品になっている。

「シュプリーム」 × 「ザ・ノース・フェイス」、名作ダウンを含む全5型をラインアップ

シュプリーム(SUPREME)」は10月21日、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」とのコラボコレクションを発売する。「ザ・ノース・フェイス」の名作ダウンジャケット“ヌプシ(NUPTSE)”をはじめ、ダッフルバッグ、デイバッグ、ウエストバッグ、グローブの全5型をラインアップ。全てイエロー、レッド、ブラックの3色を用意し、素材に牛革を使用している。イメージビジュアルには、コラボ“ヌプシ”を着用したスケーターのセージ・エルセッサー(Sage Elsesser)を起用した。

価格は全て未定で、「シュプリーム」旗艦店とドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)およびオンラインストアで取り扱う予定だ。

なお、「シュプリーム」は10月中に「AKIRA」や「スチームボーイ」の作者として知られる大友克洋とのコラボコレクションの発売が噂させている。

パリコレ一番の熱気は「オフ-ホワイト」にあり

パリコレが終わり、振り返ってみると一番熱気を感じたのは「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」でした。ショー前には「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」や「ナイキ(NIKE)」とのコラボ商品をパリで発売し、ショー後には香水ブランド「バレード(BYREDO)」のベン・ゴーラム(Ben Gorham)との新プロジェクト「エレベーター ミュージック(Elevator Music)」を立ち上げ、話題をさらいました。

パリコレ期間中にはギャラリー・ラファイエット(GALERIES LAFAYETTE)の中央吹き抜け広場でコラボシューズのポップアップショップを開いていて、外壁にも大きく「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」とのコラボポスターが飾られていました。ル・ボン・マルシェ(Le Bon Marche)でもカフェ付きのポップアップストアを開き、オーガニックフードの「ワイルド アンド ザ ムーン(WILD & THE MOON)」とコラボして、スーパーフードを使ったドリンクやフードを提供していました。老舗百貨店2店舗で同時に大規模な企画を行い、ここでも勢いを感じました。

また、あらゆるブランドのショー会場で「オフ-ホワイト」を着用している人を見かけました。ブランドのショー当日、カンボン通りの会場にはブランドの服を着用した若者が招待状を持たずに入場しようと押しかけていました。そのため、招待客がなかなか入れず、人が倒れるなど大混乱が起こっていました。人だかりが道を埋め尽くし、警察官が歩行者と車を誘導。やっとのことで入った会場は、まるでライブ会場のように湯気が見えるくらいの混雑ぶりでした。

コレクションの女性像は、ニューヨークのウエストヴィレッジに住む“じゃじゃ馬娘”(笑)で、裕福でパーティー好きだけど、週末には乗馬を楽しむ一面を持つお嬢さまです。そんな彼女のためのエレガントに見えつつ肌見せするアイテムと、乗馬にインスパイアされたスポーティーなアイテムをミックスしています。テイストのバリエーションは幅広く、ロゴ入りTシャツなどの“カジュアル”、ボディースーツなどの“スポーティー”、テーラードスーツの“クラシック”、イブニングドレスの“フェミニン”の4つの軸に分けることができます。

“クラシック”で目に留まるのは、テーラードのジャケットやドレスにジャカードで施されたり、デニムの上にプリントで表現された乗馬する人々の柄。よく見てみると、背中には「オフ-ホワイト」のロゴが配されています。クラシックなチェックのコートとスーツに入れた“3”の数字のワッペンも騎士からイメージしています。“フェミニン”なセクションのダブルフェイスのカシミヤケープは、職人の手作業でまつり縫いが施されていて、数十万円するとても贅沢な一品。“スポーティー”のタイトなニットドレスも豊作で、シルエットがとてもきれい。実は有名ラグジュアリー・ブランドと同じ工場で生産しているそうです。

「オフ-ホワイト」といえば、“ストリート”の印象が強いかもしれませんが、前シーズンの「ジミー チュウ」とのコラボを見て分かるように、シーズンごとにエレガンスの割合も強くなってきています。セールス担当者の話によると、デビュー当初からドレスは作り続けているとのことですが、ファーストルックからドレスだった昨シーズンは特にその印象を強くしたと思います。

今季もバッグ&シューズの新型がたくさん登場していました。特に人気が出そうなのは、イタリアのスーパーマーケットにある赤いショッピングバッグから着想したという大きなトートバッグ。ハンドル部分がマグネットになっていて、大きく口が開くのが特徴。かなりの容量で旅行にもぴったりです。シューズは “FOR RIDING”の文字を載せたジョッキーブーツをはじめ、スカーフ付きのヒールシューズ、スポーティーなスニーカーなど種類豊富にラインアップしていました。

ベテラン販売員が渾身の接客披露 ユナイテッドアローズが社内ロールプレイング大会実施

ユナイテッドアローズ(UA)は20日、接客ロールプレイング大会「束矢グランプリ」を東京・新宿の京王プラザホテルで開催した。これまで比較的若手の販売員が活躍する大会だったが、今回10回目を記念し、ベテラン販売員を各事業部から選出。予選を勝ち抜いた9人が最終審査に臨み、ワークトリップ アウトフィッツ グリーンレーベルリラクシング 札幌ポールタウン店の目黒栄さん(34歳)が優勝した。2位にはUA 六本木ヒルズ店の綾部由美さん(40歳)が、3位にはオデット エ オ ディール 名古屋ラシック店の宮田恵さん(35歳)が受賞した。

審査員は竹田光広社長を含め7人が務めた。今回の審査ポイントは「提案」。購買の有無にかかわらず、コーディネートや情報の提案を通し、テーマとする「創造的商品〜またこの人に接客してほしい〜」を競った。

竹田社長は、「こだわるリアルな接客と、削ぎ落とした接客にフォーカスした。もう一つは、買うその瞬間だけのコーディネートではなく、購入の後のアフターコーディネートに重きを置いた」と審査を振り返る。結果、「上位者は僅差だった」という。「賞を獲得した人もそうだったが、接客は来店客の要望、店舗スタッフの生の声を取り入れ、半歩先をゆく不足感に応えられた商品を、自信を持ってお客さまに薦められていた。シーンを想像した上で、着たことのない、出合ったことのないコーディネート提案が、この人からもう一度、接客を受けたいという思いにつながっている」と語った。

優勝した目黒さんは入社11年目。今回の大会は「緊張しなかった」と語り、接客で心がけていることは「商品を通してお客さまがどうなるかを考えています。ここに一番時間を費やしています。生活が豊かになるかどうかを考えないといけないと思います」と語る。

2位の綾部さんは入社18年目。「服は着るために購入するものではなくて、着て何をするのか、どんな気持ちになるのかを想像して接客します。お買い上げいただいた後、その服を着て『ハッピーな体験ができました』と聞けたらうれしいです」。

3位の宮田さんは入社9年目。「買っていただいた後の時間もお客さまとつながっていく。長い時間、お願いしますという気持ちで接客しています」と熱い思いを語った。

10年を迎えた束矢グランプリや、他商業施設などのロールプレイング大会はECが台頭する中で、そのあり方が問われている。竹田社長は、「昔は通勤帰りの18時以降の来店が一番の賑わいをみせていたが今は、20時以降は家に帰ってECサイトを見るなど環境が変わっており、その変化に対応しなければならない。実際の接客のあり方は、今日のお客さまの顔を見て、勇気づけたり、気持ちに寄り添ったり、買うだけじゃないコミュニケーションが大事だ」とした上で、「ロールプレの是非について、グループ会社はやめているところもあり、議論しているところだ。ただ、UAは、仕事に対するモチベーションの向上にもつながるため、他の商業施設のロープレにはないさまざまな要素を加えず行うロープレとして、現場からやってほしいという声が上がっている。当面は続けて行きたい」と語った。

ストデパがメディア力を強化、クリエイティブ・ディレクター職を新設

ストライプインターナショナルが運営するECモール「ストライプデパートメント(STRIPE DEPARTMENT)」は1周年を記念し、15日から人気デザイナーブランドとコラボした限定アイテムの販売やポイントアップなどのキャンペーンを開始する。また2019年春夏より、同ECの強みであるハイエンドブランドのラインアップをさらに拡充し、2月からクリエイティブ・ディレクター職を新設する。

限定販売するアイテムは、久保嘉男手掛ける「ミュラー オブ ヨシオクボ(MULLER OF YOSHIO KUBO)」の身頃がカットソー素材のブラックドレス(3万4000円)、大ぶりなハンカチーフスリーブのトップス(2万5000円)などのアパレルの他、「ジョンマスターオーガニック(JOHN MASTERS ORGANICS)」のローズの香りのハンドクリームやヘアミルクのセット(8000円)などビューティアイテムを展開。通常の11倍ポイントアップ(15~17日)や最大2000円分のクーポンが当たるルーレット(18~20日)などのキャンペーンも実施する。

19年春夏からは、「マルニ(MARNI)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」「レッド ヴァレンティノ(RED VALENTINO)」「ラグ&ボーン(RAG & BONE)」「シーバイクロエ(SEE BY CHLOE)」「ピエール アルディ(PIERRE HARDY)」の計7ブランドが加わる。

クリエイティブ・ディレクター兼編集長には「WWDジャパン」「WWDビューティ」元編集長の都築千佳氏が就任する。ファッション・ビューティの垣根を超えた提案や、パーソナルなサービスをさらに強化する。

石川康晴・社長は「『ストライプデパートメント』は1年間で800以上のブランドを取扱い、ハイブランドにも多く参画するこれまでにはないECデパートメントになった。今後は、リアル店舗でのポップアップなど、さらにお買い物を楽しんでいただける仕掛けに取り組む。地方在住のお客さまや、忙しいワーキングマザーのため、百貨店のようなショッピング体験ができる場を提供していきたい」としている。

“最先端のストリート女子”はここにいる! 「オフ-ホワイト」来場者はネオンカラーと肌見せ

「ヴァージルの全てが好きなんだ。彼の生み出すクリエイションや音楽性を、言葉にならないほど尊敬している」。そう語るのはショーには招待されていないが、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」のブランドの服を身につけて会場に訪れたパリに住む黒人の男子学生だ。

「オフ-ホワイト」ではメンズとウィメンズでパリコレに参加し、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」メンズのアーティスティック・ディレクターを務めるデザイナーのヴァージル・アブローを“ヒーロー”と崇めるファンは多い。2月28日に屋外競技場のアコーホテルズ・アリーナ(通称ベルシー アリーナ)で開催された2019-20年秋冬ウィメンズのコレクション会場には招待客以外にも100人近くのファンが駆けつけていた。

「オフ-ホワイト」を着た女性来場者の大半は最新の19年春夏を着用しており、スポーツムードが全開だった。雨で風が冷たい夜にも関わらず寒さに負けずに、クロップドトップスでヘソ出し、ブラトップ姿でサイクルパンツやトラックパンツを合わせて大胆に肌見せするスポーティーカジュアルのスタイル。ネオンイエローやオレンジなどの蛍光色を差し色に取り入れながら、足元は“FOR WALKING”のロゴが入ったサイハイブーツや「ナイキ(NIKE)」とヴァージルのコラボによる「THE TEN」のスニーカーを合わせているのがポイント。定番アイテムであるブランドのロゴ入りのベルトの着用率も高かったが、 黄色の“イエロー インダストリアル ベルト”ではなく、ゴム素材でできた半透明の“ラバー インダストリアル ベルト”をつけているのが今季の傾向だった。男性客も足元はスニーカー、ブランド名のロゴ入りのパーカなどを着用していた人を多く見かけた。

人々のリアルを描いたDr.MartensのAW14フィルム

1960年に誕生以来、様々な世代やシーンから熱いラブコールが絶えないDr.Martens。自分らしくいるためのものとは何か、というメッセージが込められた”STAND FOR SOMETHING”をコンセプトに、個性を重視したキャンペーンを実施中!

その取り組みのひとつとして今、話題を呼んでいるのがイギリスを拠点に活躍するアーティスト達をフィーチャーしたオリジナルフィルム。撮影にはフォトグラファーのジェームス・ピアソンが参加し、ワットフォード出身のバンドのThe Spitfire(ザ スピットファイアー)、インディロックバンドのFamily Rain(ファミリーレイン)、ヴィヴィットなヘアカラーが可愛いフットウェアデザイナーのルナなど、計8名のリアルな姿にフォーカス。彼らのライフスタイルに溶け込むDr.Martensがより一層素敵なシューズに見えるはず。またムービーの中に登場する初めてDr.Martensを履いた時や彼らにとって大切な瞬間を押さえた、メモリアルショットも見所のひとつ。

このムービーをチェックしたら、みんなも自分のリアルな姿やファーストマーチンについて考えみてはいかが?