パリ発「コーシェ」が渋谷でショー ピカチュウとサッカーの“世代を超える愛”を表現

フランス・パリ発のファッションブランド「コーシェ(KOCHE)」は、2019-20年秋冬のファッションショーを東京・渋谷のスクランブル交差点前の渋谷ツタヤ(SHIBUYA TSUTAYA)の屋上で開催した。18年春夏の原宿通り(通称とんちゃん通り)で行って以来1年半ぶりの東京での発表。先ごろパリで披露した新作コレクションに加え、「ポケットモンスター(以下、ポケモン)」シリーズ初のハリウッド実写映画である「名探偵ピカチュウ」(5月3日に日本先行公開)とのコラボレーション商品や、日本で生産した25ルックのカプセルコレクションを披露。世界中で世代を超えて愛されているピカチュウとのコラボと、コレクションテーマのサッカーを媒介にして平和を願うメッセージを発信した。

デザイナーのクリステル・コーシェ(Christelle Kocher)は「『ポケモン』は初代のゲームを幼い頃から妹と一緒に遊んでいた思い出があり、お気に入りのアニメ作品。世代を超えて世界中の人々を引きつける魅力があり、革命的なカルチャーだと思う。会場は『名探偵ピカチュウ』の舞台になっているネオンライトの輝く都会がイメージにぴったりだった。また世界的に有名な交差点であり、音楽や映画、ゲームなどの世界のカルチャーの発信地である渋谷ツタヤで発表したかった」と語る。

コラボレーションアイテムは、映画のロゴとピカチュウのシルエットをのせたサッカーユニホーム型のTシャツ2型とキャップ1型。また日本製のレースやスワロフスキー(SWAROVSKI)のラインストーンで装飾してエレガントに仕上げたピカチュウの黄色をイメージしたドレスなども制作した。

メインコレクションは “サッカーの団結力”がコンセプト。「サッカーは性別や世代、社会的地位なども関係なく人々を一つにするスポーツ」とクリステルが語るように、サッカーの選手と観戦者の情熱や団結心などのポジティブな面を表現している。「コーシェ」は18年春夏からネイマール(Neymar)ら有名選手が所属するサッカーチーム「パリ・サンジェルマンFC(PARIS SAINT-GERMAIN FC)」のユニホームをコラージュしたTシャツやドレスなどのウエアを発表しているが、今季はフランスをはじめオランダ、トルコ、ドイツ、イタリア、メキシコ、ブラジルなどの代表チームが着用する世界14カ国20チームのサッカーユニホームをコラージュに用いた。中には日本チームのものも含まれているという。ラストには「ナイキ(NIKE)」とコラボレーションしたフリルトップスとパンツも登場させた。

日本生産のカプセルコレクションは、日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)との協業で、愛知・尾州の中伝毛織の素材、東京・両国の江戸ヴァンスによるパターン・縫製で制作したもの。サッカーボールをイメージして六角形のパネルをつなぎ合わせたジャケットは「とても複雑なパターンを見事に実現してくれた」と、クリステルは日本の技術を称賛した。

モデルはブランドが得意とするストリートキャスティングを行い、日本のインフルエンサーである、マドモアゼル・ユリア、黒田エイミ、ゴールドエリカらも起用。フィナーレでは坂本九の世界的な名曲「上を向いて歩こう(別名Sukiyaki)」が流れる中をモデルたちは手をつないで退場するなど、会場は和やかな雰囲気に包まれた。