「メットガラ」で話題の“キャンプ”な装い 私にもできる着こなし術

おしゃれの祭典「メットガラ(MET GALA)」は、米ニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)で毎年開催されている、ファッション展覧会のオープニングイベントです。今年の「メットガラ」は5月9日に行われましたが、例年以上に盛り上がったのは、今回のテーマが“CAMP(キャンプ)”だったからでしょう。“キャンプ”とは、過剰やいたずらを面白がる、キッチュに近いニュアンスです。このテーマを口実に、レディー・ガガ(Lady Gaga)ら大勢のセレブリティーたちが茶目っ気たっぷりに“ルール破り”を楽しむ姿が印象的でした。あそこまでの弾け方は普段の装いでは無理でしょうが、濃度やムードを抑えれば、取り入れようがありそう。そこで、今回は国内ブランドのリアルなコーディネートで“キャンプ”気分を味わう着こなしを紹介します。

“キャンプ”がテーマに選ばれた背景には、おしゃれの多様化が進んできたことを受けて、もっと自由な発想でファッションを楽しんでもらいたいという、企画者側の思いがあるように見えます。従来の「きれい」「整っている」という、古典的な価値観から離れて、ファッションの可能性を広げる提案です。難易度が高いと思われがちですが、実はリアルトレンドとしてもジワジワと広がりつつあります。

たとえば、「アメリ(AMERI)」のジャケットルックは、ブラトップ風のビスチェをジャケットの上から重ねて、インナーとアウターの立ち位置を逆転させました。やりすぎの手前で際どく踏みとどまっているのはマニッシュなパンツとシャツのおかげです。

これ以外にも、Tシャツの上からビスチェ風アイテムを重ねたり、パジャマ風シャツを街着に変えたりするようなシーンフリーのスタイリングをよく見掛けるようになりました。このような意外性のある着こなしは、決まり切ったルールから印象をずらすという、いわゆる“はずし”のテクニック。いわば“キャンプ”気分を手軽に取り入れる手法の一つです。アイテムを本来の居場所から引っ越しさせたり、通常とは異なる季節感やシーンで着用したりするのが、手軽に“はずし”を決めるコツです。

具体的に、各ブランドがどのように“はずし”を提案しているのかを見ていきましょう。スカートとパンツの重ね着はかつて“埴輪(はにわ)ルック”とも呼ばれ、大人っぽく見せるのがなかなか難しい組み合わせだと思われてきました。ハードルの高い着こなしでしたが、近頃はボトムスレイヤードを試す提案が増えてきています。「ライト(WRYHT)」はピンクのふわっとしたサックドレスの下に、きれいめパンツを合わせて、縦長イメージを強調。足元はパンプスでエレガントに整えました。

「アウラ アイラ(AULA AILA)」はパンツの上から、チュールのロマンティックなスカートをオン。同系色でまとめつつ、風合いの違いを際立たせています。ショルダーバッグをボディーの真正面に斜め掛けするのも、バッグの“定位置”を踏み外す仕掛けです。

透ける素材を使って腕や足を透けさせるヌーディーな演出は、パーティースタイルなどでもおなじみ。チュールを使って服全体を透けさせるようにアレンジすると、ぐっと“キャンプ”風味が濃くなります。

ジャストサイズより大きめのオーバーサイズは、手軽に“はずし”を印象づけやすいシルエットです。ジャストサイズのフィット感は正統派コーデの基本だけに、オーバーサイズの適度なルーズさは、着こなしにのどかで朗らかな表情を寄り添わせてくれます。

「カイコー(KAIKO)」はビッグシルエットのジャケットとゴツめのダッドスニーカーでボリュームたっぷりのコーデに仕上げました。ボトムスは肌にピッタリしたサイクリングパンツで引き締めて、量感のずれ具合を際立たせています。微妙なちぐはぐ感が効いて、ファニーな雰囲気に。

「クロ(KURO)」のジーンズはヒップ周りが程よくたるむビッグサイズ。ウエストをきれいにそろえない、アシンメトリーの打ち合わせもユニークです。一癖ありのディテールが着姿にウィットを忍び込ませてくれそう。

“キャンプ”な雰囲気を普段の装いに少し加えるだけでも、いたずらっぽい気分がミックスされて、見た目の印象もこなれて映ります。ただし、トゥーマッチを避けるためにも、仕掛けどころは1点に絞るのが賢明。時季やシーンをずらすアレンジは、手持ちアイテムだけで可能なうえ、服の出番も増やせます。おしゃれの多様化の波に乗って、皆さんもトライしてみては。


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