飛行船をモチーフにしたロマン溢れる腕時計、ツェッペリン

ドイツの時計メーカーの中でも、他にはないブランドコンセプトで独自の地位を確立しているツェッペリン(ZEPPELIN)。唯一無二のデザインセンスで、日本でもその人気を年々高めている。今回は、クオリティ重視の時計メーカー「ツェッペリン」にフォーカスして、その魅力や定番モデルを紹介!!

ツェッペリンは、1987年にミュンヘンで発祥した時計メーカーだ。ドイツの時計メーカーと言えば、グラスヒュッテの地を起源としたある意味で”同族意識の高い”ブランドが多いイメージがあるが、ツェッペリンだけは独自の路線を突き進んでいる。飛行船をモチーフにしたフォルムや文字盤デザインに加え、スイス製ムーブメントで高い精度を実現。ドイツメーカーらしい品質主義とスイスの技術力を兼ね備えながら、本格的な機械式時計とは思えない良心的な価格設定も大きな魅力だ。現在ではヨーロッパやアメリカなど世界30か国で販売され、日本でも高い人気を誇っている。

ドイツが誇る飛行船「ツェッペリン(Zeppelin)号」が、ツェッペリンの時計デザインを始めとするブランドコンセプトである。ツェッペリン号は、1900年にフェルディナンド・フォン・ツェッペリン(Ferdinand Graf von Zeppelin)伯爵が完成させた”硬式”飛行船。それ以前の従来の軟式飛行船は、ガスの圧力で外形を維持しながら飛ぶというものだった。ガス袋そのものを船体としていたため変形しやすく、飛行速度が遅いのが欠点である。それに対し硬式飛行船はアルミニウム合金などの軽素材で骨格を作り、その上へ麻や綿の布を張るという構造。これにより船体の外形を保持することができ、軟式飛行船とは比較にならないほどの高速飛行を実現した。さらに大型化も可能となり搭載貨物が増大し、新たな輸送手段として革命を起こしたのだ。

ツェッペリン号の開発は人類にとってあまりにも偉大で、結果的に「ツェッペリン」という言葉は慣用的に「硬式飛行船」のことを指すようになった。ツェッペリン伯爵の意志を次ぐツェッペリン社は、その後も歴史的な飛行船を次々と開発するが、ナチス党との対立により1930年代半ばに国有化されることとなる。それから約50年の時を経て、時計メーカー「ツェッペリン」が誕生。このブランドのコレクションは、丸みを帯びたガラスやパイロットウォッチらしい文字盤など、飛行船ツェッペリン号を思わせるデザインが随所に込められている。何より、他人からどれだけ不可能だと嘲笑されながらも硬式飛行船を完成させた、ツェッペリン伯爵の発明家精神と製品に対する情熱を受け継いでいるのだ。

飛行船の機体をイメージした柔らかなアーチを描く風防はまさにこのブランドの時計ならでは。文字盤には黒や白、アイボリーなど、当時のツェッペリン号の船体に近いカラーを再現している。特殊な技法によって着色された文字盤や、ハンドメイドセッティングなどを駆使した製造工程で、価格に見合わぬ高級感を醸し出している。

また、デザインセンスの高さが注目されがちなツェッペリンの腕時計だが、性能に関しても折り紙つき。時計の心臓部を司るムーブメントには、スイスのETA社やRONDA社といった企業が製造する、一流時計ブランドも御用達の高品質ムーブメントを採用。力強い見た目に相応しい高精度で、ドイツブランドらしい品質第一主義を体現しているのだ。

ツェッペリンのコレクションの中で最も代表的なものが、「100周年記念モデル(SPECIAL EDITION 100 YEARS ZEPPELIN)」だ。通常、腕時計の○○周年記念モデルと言えばそのブランドの創業年から数えるもの。ところがツェッペリンが指す100周年とは、他でもないツェッペリン伯爵が開発した世界初の硬式飛行船ZEPPELIN号の第一号船のことである。第一号「LZ1」は、1900年7月2日に南ドイツの美しいボーデン湖畔のフリードリヒスハーフェンの大空を飛び、初飛行を成功させた。100周年記念モデルは、その「LZ1」の機体をデザインのベースとした、ドーム型ガラスやタキメータースケールが最大の特徴である。
シリーズには2つ目や3つ目のサブダイヤルを備えたクロノグラフや、シンプルな3針デイトモデル、文字盤上からムーブメントの動きが鑑賞できるスケルトンモデルなどの魅力的なラインナップが並ぶ。全てのモデルに共通して、ドイツ語で「100周年」を意味する「100Jahre」の文字がダイヤルに配されている。高貴な雰囲気の、先端の丸いブレゲ針も特徴だ。大空を自由に飛ぶという人々の夢を叶えた、「LZ1」の誇りを感じさせる完成度である。

1924年にドイツ、フリードリヒスハーフェンのツェッペリン工場で建造された「LZ126」という飛行船の歴史を讃えて誕生した「LZ126 ロサンゼルス(LZ126 LOS ANGELES)」。モデル名に”ロサンゼルス”の名がつくのは、「LZ126」がドイツ政府からアメリカへと譲渡された飛行船だからである。長距離便として開発された史上初の旅客飛行船で、わずか81時間で大西洋を横断に成功したことから世界的なニュースにもなった。そんな「LZ126」をモチーフとするこのシリーズは、計器をイメージさせるタキメーターや、クラシカルなビザン数字のインデックスが魅力。
文字盤のバリエーションも多彩で、中には昨今のクロノグラフには珍しい、心拍数を計測するパルスメーターを備えたモデルも。シリーズに共通して採用されている流線的な針はビザン数字インデックスと非常に相性が良く、ツェッペリンの中でも特に知的な雰囲気を演出している。

全長235m、航続距離1万kmという1928年当時世界最大を誇った「LZ127」。グラーフツェッペリン(ツェッペリン伯爵号)の愛称で親しまれるこの機体は、米国ニュージャージー州から世界一周の旅に成功した。ドイツの技術力を世界に知らしめたこの飛行船にちなんで、「LZ127 グラーフツェッペリン(LZ127 GRAF ZEPPELIN)」シリーズは開発されたのである。ムーブメント観賞用の穴を空けたオープンハートとも呼ばれる意匠が特徴で、クオリティ第一主義のドイツ時計らしさを視覚でも楽しめる。

「LZ127 グラーフツェッペリン」と同じく、飛行船「LZ127」をインスパイアして作られた「ノルドスタン(NORDSTERN)」。1931年に成し遂げられた北極への調査飛行をデザインのモチーフとしており、北極の景色をダイヤルカラーに表現している。広大な雪原を思わせる純白の文字盤や、深いブルーの海を表した文字盤カラーは実に独創的。

大西洋横断の定期旅客便として作られた「LZ129」。飛行機の中で歴史上最も大きい245mという機体には、ラウンジやダイニングルームを完備。ピアノによるコンサート空間も備えた、史上初の航空機型豪華客船として知られていた。そんな贅を尽くした飛行船をモチーフとする「ヒンデンブルク(HINDENBURG)」は、当然ながらエレガントなデザインが特徴。ムーンフェイズやカレンダー機構を備えたモデルもラグジュアリーだが、シンプルな3針モデルもこの上ない気品に溢れている。

ツェッペリンのコレクションの中で最も代表的なモデル「7680-1N」。1900年に誕生した、ZEPPELIN飛行船の第一号「LZ1」の100周年を記念したシリーズだ。「LZ1」の機体をデザインソースにした丸みを帯びたダイヤルやドーム型のガラスが特徴。ダイヤルにはドイツ語で「100周年」を意味する「100 Jahre」の文字が配されている。

「LZ1」の100周年を記念したシリーズの3つ目クロノグラフモデル。飛行船をイメージして創られたサテン仕上げのケースは、ドイツの職人によってハンドメイドで組み立てられている。代名詞であるドーム型のサファイアクリスタルガラスはもちろん素晴らしいが、極限まで狭く作られたベゼルも秀逸。ETA製の機械式ムーブメントを採用しており、スケルトン仕様のケースバックからその動きを鑑賞できる。3時位置に30分カウンター、6時位置に12時間カウンター、9時位置にスモールセコンドのサブダイヤルを配置。他にも外周にタキメーター、デイト表示窓、ブランドロゴや「100 Jahre」の文字などの全てがデザインの役割を果たしている。これだけの情報をひとつの文字盤に収めながら、高い視認性を確保しているあたりが流石ドイツの技だ。

ブラック文字盤とアラビアンインデックスがモダンな印象の、2カウンタークロノグラフ。丸みを帯びた風防にはミネラルガラスを採用。ゴールドに輝く重厚な42mmケースが、男の腕を力強く飾る。60分カウンターとスモールセコンド、デイト表示を備えながら、クォーツムーブメントによって低価格を実現している。

6時位置にデュアルタイムを表示するサブダイヤルを配したモデル。すっきりとした文字盤デザインで、ブレゲ針のエレガントさが際立っている。12時位置のビッグデイトも存在感抜群。を示す数字に施された装飾も、シンプルながら実に独創的だ。高級感のあるブラウンのカーフレザーブレスレットも、文字盤の雰囲気にぴったり。

大胆に空けられたスケルトン文字盤が絶大なインパクトを放つ逸品。計算しつくされた装飾美の、メカニカルな雰囲気を思う存分堪能できる。約4mmの肉厚なミラネーゼブレスレットも、このモデルのコンセプトを最大限活かしている。スーツスタイルからカジュアルな場面まで、あらゆるシーンに着用したい腕時計だ。

当時前例のないスピードで81時間で大西洋を横断に成功した飛行船をモチーフにした、「LZ126 ロサンゼルス」シリーズの一本。クラシカルなアイボリー文字盤に、青と赤で記されたタキメーターが独特な雰囲気を醸し出す。ビザン数字インデックスとアンティーク調の時分針によって、一般的なクロノグラフにはない繊細な美しさを有している。稀少なコードバンレザーのストラップもとても優雅。

贅のかぎりを尽くしたと言われている大型旅客飛行船をモチーフにした「ヒンデンブルク」シリーズのモデル。3時位置には”日”を指し示すカレンダー、9時位置には曜日を示すサブダイヤル、そして6時位置には月の周期を描画で伝えるムーンフェイズを搭載している。さらに外周部分には”週”が表示されており、三日月形の針が指し示す設計だ。滑らかなミラネーゼブレスがラグジュアリーな雰囲気を後押ししており、まさにモチーフ通りの贅沢な仕上がりとなっている。

ツェッペリン社が製造した歴代飛行船の中でも代表的な機種の名前を冠された、「LZ127 グラーフツェッペリン」の中の一作。自動巻きムーブメント「Cal.82S5」を搭載しており、6時位置に設けられたオープンハートからその精巧な動きを堪能できる。そのオープンハートと重なるような形でスモールセコンドが配されており、絶妙な調和が取られている。ツェッペリンのデザインセンスとムーブメントの造形美を余すこと無く味わえるモデルだ。

1931年の北極探査からインスピレーションを受けて誕生した「ノルドスタン」シリーズの青文字盤モデル。北極飛行を成し遂げた乗船員が心を打たれたと言われる、最果ての海をイメージした深いブルーが特徴。縦軸に2つのサブダイヤルが配されており、大きめのスモールセコンドと小ぶりな12時間カウンターのバランス感覚が絶妙である。文字盤色に合わせたブルーのカーフレザーも味わい深い。計算された色使いで、思わず目を奪われる逸品だ。

身近な小物がそろう「ヴィトラ」のポップアップが登場

スイス発インテリア・ブランド「ヴィトラ(VITRA)」は11月16日、伊勢丹新宿店内のザ・ステージでアジア発のポップアップストアをオープンする。テーマは「デザインとクラフトの力」。インテリアに彩りを添える木彫りのドールや刺しゅうのピロー、クリスマス・シーズンにぴったりのカラフルで心躍る小物を展示販売する。

アメリカのミッドセンチュリーを代表するデザイナーであるアレキサンダー・ジラード(ALEXANDER GIRARD)の“ウッデンドール”はヴィトラ デザイン ミュージアム所蔵のジラード邸にあったオリジナルに基づき忠実に復刻したもの。彼は世界中の民芸品を収集しており、その中にあった日本こけしにインスピレーションを得た“こけしドール”をポップアップ限定で販売。ジラードのファブリック「チェッカー」と「アラベスク」2色を使用したロナン&エルワン・ブルレック(RONAN & ERWAN BOUROULLEC)による“ソフトシェルチェア”も展示し受注販売する。チャールズ&レイ・イームズ夫妻の自宅のインテリアに飾られていたイームズハウスバードの金箔バージョン、“ゴールデンイームズハウスバード”は限定5個。カラフルな“グラフィックボックス”などギフトシーズンにぴったりなアイテムも販売する。価格は“こけしドール”が9000~1万2000円、“ソフトシェルチェア”の「チェッカー」が13万円、「アラベスク」が18万円、“ゴールデン イームズ ハウスバード”が15万円。“グラフィックボックス”が2400~3400円。会期は22日まで。

「メットガラ」で話題の“キャンプ”な装い 私にもできる着こなし術

おしゃれの祭典「メットガラ(MET GALA)」は、米ニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)で毎年開催されている、ファッション展覧会のオープニングイベントです。今年の「メットガラ」は5月9日に行われましたが、例年以上に盛り上がったのは、今回のテーマが“CAMP(キャンプ)”だったからでしょう。“キャンプ”とは、過剰やいたずらを面白がる、キッチュに近いニュアンスです。このテーマを口実に、レディー・ガガ(Lady Gaga)ら大勢のセレブリティーたちが茶目っ気たっぷりに“ルール破り”を楽しむ姿が印象的でした。あそこまでの弾け方は普段の装いでは無理でしょうが、濃度やムードを抑えれば、取り入れようがありそう。そこで、今回は国内ブランドのリアルなコーディネートで“キャンプ”気分を味わう着こなしを紹介します。

“キャンプ”がテーマに選ばれた背景には、おしゃれの多様化が進んできたことを受けて、もっと自由な発想でファッションを楽しんでもらいたいという、企画者側の思いがあるように見えます。従来の「きれい」「整っている」という、古典的な価値観から離れて、ファッションの可能性を広げる提案です。難易度が高いと思われがちですが、実はリアルトレンドとしてもジワジワと広がりつつあります。

たとえば、「アメリ(AMERI)」のジャケットルックは、ブラトップ風のビスチェをジャケットの上から重ねて、インナーとアウターの立ち位置を逆転させました。やりすぎの手前で際どく踏みとどまっているのはマニッシュなパンツとシャツのおかげです。

これ以外にも、Tシャツの上からビスチェ風アイテムを重ねたり、パジャマ風シャツを街着に変えたりするようなシーンフリーのスタイリングをよく見掛けるようになりました。このような意外性のある着こなしは、決まり切ったルールから印象をずらすという、いわゆる“はずし”のテクニック。いわば“キャンプ”気分を手軽に取り入れる手法の一つです。アイテムを本来の居場所から引っ越しさせたり、通常とは異なる季節感やシーンで着用したりするのが、手軽に“はずし”を決めるコツです。

具体的に、各ブランドがどのように“はずし”を提案しているのかを見ていきましょう。スカートとパンツの重ね着はかつて“埴輪(はにわ)ルック”とも呼ばれ、大人っぽく見せるのがなかなか難しい組み合わせだと思われてきました。ハードルの高い着こなしでしたが、近頃はボトムスレイヤードを試す提案が増えてきています。「ライト(WRYHT)」はピンクのふわっとしたサックドレスの下に、きれいめパンツを合わせて、縦長イメージを強調。足元はパンプスでエレガントに整えました。

「アウラ アイラ(AULA AILA)」はパンツの上から、チュールのロマンティックなスカートをオン。同系色でまとめつつ、風合いの違いを際立たせています。ショルダーバッグをボディーの真正面に斜め掛けするのも、バッグの“定位置”を踏み外す仕掛けです。

透ける素材を使って腕や足を透けさせるヌーディーな演出は、パーティースタイルなどでもおなじみ。チュールを使って服全体を透けさせるようにアレンジすると、ぐっと“キャンプ”風味が濃くなります。

ジャストサイズより大きめのオーバーサイズは、手軽に“はずし”を印象づけやすいシルエットです。ジャストサイズのフィット感は正統派コーデの基本だけに、オーバーサイズの適度なルーズさは、着こなしにのどかで朗らかな表情を寄り添わせてくれます。

「カイコー(KAIKO)」はビッグシルエットのジャケットとゴツめのダッドスニーカーでボリュームたっぷりのコーデに仕上げました。ボトムスは肌にピッタリしたサイクリングパンツで引き締めて、量感のずれ具合を際立たせています。微妙なちぐはぐ感が効いて、ファニーな雰囲気に。

「クロ(KURO)」のジーンズはヒップ周りが程よくたるむビッグサイズ。ウエストをきれいにそろえない、アシンメトリーの打ち合わせもユニークです。一癖ありのディテールが着姿にウィットを忍び込ませてくれそう。

“キャンプ”な雰囲気を普段の装いに少し加えるだけでも、いたずらっぽい気分がミックスされて、見た目の印象もこなれて映ります。ただし、トゥーマッチを避けるためにも、仕掛けどころは1点に絞るのが賢明。時季やシーンをずらすアレンジは、手持ちアイテムだけで可能なうえ、服の出番も増やせます。おしゃれの多様化の波に乗って、皆さんもトライしてみては。

「ぜったいきれいになってやる」「私脱いでもスゴイんです」

エステティックのTBCは、平成の31年間で実に100本以上のテレビCMをオンエアした。同社のテレビCMは、社会の変化、男女の意識の変化などその時代を反映し、オンエア当時にキャッチコピーやセリフが流行語になったことでも知られている。ここでは、中でも特に話題となった3本の懐かしのCMを紹介する。

 平成4(1992)年にオンエアした“ぜったいきれいになってやる”編。タレントの坂井真紀が出演し、ストーリーは失恋をした女の子が、新たな自分に生まれ変わる決意を一人きりになった部屋で言葉にするというもの。部屋のカーテンに失恋の気持ちをぶつけるシーンや、「ぜったいきれいになってやる」というセリフ、そしてバックに流れる竹内まりやの曲「元気を出して」などが多くの女性の共感を呼んだ。

 平成7(95)年にオンエアした“私脱いでもスゴイんです”編。モデルの北浦共笑が出演し、高圧的でステレオタイプの面接官と対峙する。北浦が演じる面接を受けに来た女性は、ただのか弱い女性ではなく、たくましく社会を生きる女性だった。時代の女性像を心地よく痛快に表現し、意表を突いた決めのセリフ「私脱いでもスゴイんです」は多くの女性の支持を集めた。

 平成9(97)年にオンエアした“キレイになるのがTBC”編。スーパーモデルのナオミ・キャンベルが出演し、父の反対を押し切ってエステに行った“なおみ”が“ナオミ”になって帰ってくるというストーリー。スーパーモデルブーム、セレブブームを背景としたキャスティングの妙によって、今よりもまだ認知度が低かったエステティックの存在を、「ナオミよー」のセリフとともに世の中に大きくアピールしたCMだった。

「モンクレール」 × 「キス」が発売 「アシックス」とのコラボスニーカーも

モンクレール Tシャツ コピー」はニューヨークのスニーカーショップ「キス(KITH)」とコラボしたメンズカプセルコレクションを、「モンクレール」と「キス」の店舗および公式ECサイトで12月2日に発売する。同コレクションは9月の「キス」2018春夏コレクションで一部のアイテムが発表されたもので、価格帯は170〜1365ユーロ(約2万3000〜15万円)。また、パリのセレクトショップコレット(COLETTE)でも、コレクションからセレクトされたアイテムがウィンドーに並ぶ予定だ。

コレボコレクションは、ネイビー、レッド、ホワイトをベースカラーに、「モンクレール」のシグニチャーでもあるラッカーナイロンのダウンやベスト、両ブランドのロゴがプリントされたスエット、Tシャツ、バイカーにインスパイアされたパンツの他、手袋、ニット帽、ハイキングブーツ、バックパックなどをそろえる。

さらに12月8日には両ブランドと「アシックス(ASICS)」がトリプルコラボしたスニーカーも発表する。カーフスキンとスエードを使用し、ネイビー、レッド、オフホワイトの3色を展開する。

デビューから1年、KANDYTOWNのメンバーが語る「真剣な“音楽”」

昨年11月のメジャーデビューアルバム「KANDYTOWN」から1年、今や彼らなしでは東京のシーンは語ることができない存在となった総勢16人のヒップホップ・クルーがKANDYTOWNだ。デビューアルバムは高い評価を受け全国ツアーも成功、メンバーそれぞれがソロアルバムや関連作を発表するなど、クルーとしても個人としても精力的な活動を続けたこの1年を締めくくるように、9月には待望の今年度第1弾作品「Few Colors」をリリースした。昨年の「リーボック クラシック(REEBOK CLASSIC)」との「Get Light」に続く、「ティンバーランド(TIMBERLAND)」とのタイアップソングだ。音楽業界だけでなく、ファッション業界からも熱い視線を受ける彼らを代表してDIAN(MC)、Gottz(MC)、Neetz(トラックメーカー・MC)、MIKI(トラックメーカー)の4人に楽曲制作のこだわりやファッション観など話を聞いた。

俺らのワンマンじゃなくても、ライブでガッツリ盛り上がるようになりましたね。

浸透したな、と思います。街なかで声をかけられるようにはなりました(笑)。

純粋に自分たちを観にきてくれる人たちは増えましたね、ちょっとだけですけど(笑)。

気持ちの変化は?

真剣に“音楽”を考えるようになりました。結構遊びでやってたのが、ちゃんと考えてやらなきゃなって。

アーティストとしての意識は芽生えましたね。

先日リリースした「ティンバーランド」との楽曲「Few Colors」の苦労やこだわりは?

メンバーには他にもトラックメーカーがいるんですけど、「ティンバーランド」の曲を作る話があがった時にすぐNeetzと作ろうと思いました。それで話し合って色々曲を聴いて作ったんですが、曲調やメロディー部分をブランドのイメージに合わせました。俺がイメージする「ティンバーランド」は、明るいサウンドのブランドじゃなくて、落ち着いていて“霧がかかった森”。

最初にできたビートはもっとイナタかったよね?

そう、わざとイナタい90年代のテイストにしたんです。

初めてみんなに聴かせたらMVのディレクションも考えてるIOが「もうちょい最近っぽいのが良い」って言って、みんなも何か違うなって(笑)。それから次の日にはもう作り直しましたね。

だからPVも“霧がかかった森”が舞台なんですね。

そうです。知り合いの別荘を借りて(笑)。

リリック(歌詞)はMCを担当したGottz、Neetz、DIANそれぞれが?

今回、トラックを担当しているNeetzとはやり取りしましたけど、リリックを書く時はあまり他のメンバーとコミュニケーションは取りませんでした。最初は「ティンバーランド」を意識して書いてましたけど、結局自分が書きたいリリックに収まりましたね。

ラッパーが他人に書いてもらったら終わりですね。

トラックとリリックはどっちが先?

だいたいトラックが先ですね。

そのあと今回はメンバー全員がトラックを聴いて、やりたいメンバーがやりました。

去年リリースしたアルバム「KANDYTOWN」もそんな感じ?

それはMIKIとNeetzの2人とRyohuが大量に曲を持ってきて、その中からメンバーが自分で選んだり、この曲は誰っぽいとかで決めましたね。

そのあと、メロウな曲ばかりだと一辺倒だからNeetzともうちょっとアッパーな曲が必要だね、みたいな感じで2人で自然に持ち寄って足して足してって感じです。

それぞれが得意なところを担当して、補えないところをお互いが意識して作りましたね。

ヒップホップのアーティストは普段から「ティンバーランド」を履いているイメージがあります。

今日も履いてます(笑)。タイアップの話があがる前からプライベートで何足も持ってました。

やっぱり定番の“6インチ”はみんな持ってましたね。

みなさんはスタイリストをつけず、ライブの時でも私服と伺いました。こだわりも強いかと思いますが、ファッションは好き?

僕は実家が下北沢の古着屋「SMOG」だったんで小さい頃から身近でしたね。ファッションは音楽と一緒で自分の感性だと思っているので、常に自分が良いと思ったモノを着るようにしています。

俺もシンプルでもいいから常に良いモノは着ていたい、って思いはあります。

特に自分はブランドも含めてこだわりはないです。「着られている」ような無理してる感は出さないように、自分が着たいものを着る。

YUSHI(一昨年事故で他界したKANDYTOWNのメンバー)が残した服とかはライブで着がちですね。

YUSHIはチョー服を持ってて、もらったのモノはいまだに着てます。今でも着れるくらいYUSHIは良いモノ選んでたんだな、って。

着ると気持ちが入るんです。あとはライブで同じ服を2度着たくはないので、なんとなくプライベート用とステージ用の私服も考えてますね。

ライブでしか着れない、みたいなのもあるもんね(笑)。普段だと目立ちすぎちゃうけどステージだと映える、みたいな。自分のテンションを上げるためにも。あとGottzが中学生の頃から先輩にヒップホップと一緒に「シュプリーム(SUPREME)」を教えてもらって着てたから、俺は絶対に「シュプリーム」は着ないです。俺の中ではもうGottzが着るブランドだから(笑)。

やっぱりメンバーっぽい服装とかブランドはある?

小学生の頃から一緒のメンバーとかもいるので統計的に(笑)。お店で洋服とか見てても「これ誰々っぽいなー」とかありますし、このあいだGottzにはカート・コバーン(Kurt Cobain)みたいなサングラスをあげました(笑)。持ってる服をあげたりもしますね。DIANは渋いです、夏場でもブーツ履いちゃう人(笑)。

わかる、短パンを絶対に履かないイメージがある。

去年のインタビューの時も「ティンバーランド」のブーツでしたよね?

そういえばそうですね(笑)。重たいのが好きなんです。

柄シャツとか派手なヤツ、色があるヤツも着てないですね。着てもバーガンディーみたいな(笑)。

他のメンバーから見てセレクトショップ、グロウアラウンド(GROW AROUND)の店員でもあるMIKIはどう見る?

俺は「高くても一生着れる、墓場まで持っていけるな」みたいな“ずっと使えるモノ”を選ぶんです。その時だけの1シーズンしか着れない、みたいなモノは買わないですね。流行だけを追わず、良いモノを見極める。ファストファッションは絶対に買わないです。

ここにはいない他のメンバーは?

KIKUMARUはもう「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」のイメージ。ばっかり着てる(笑)。IOは「ディオール オム(DIOR HOMME)」が似合うなーとは思います。ハイブランドの中でも、タイプ的に「ディオール」。

金があるなら別にいいし、着れたらいいなとは思う。そのためにやっているだけではないので。

着てみたいとは思いますね(笑)。ハイブランドではないですけど、ドレイク(Drake)だったりが何気なく「ストーン・アイランド(STONE ISLAND)」とかを着てるんですよ、インスタにアップしてる移動中の写真とかで(笑)。何気なく着てると良いなって。

最近は地上波でフリースタイルの番組が放映されるなど、ヒップホップがまた世間に認められつつありますが、どう思う?

もっと浸透すればいいなと思います。アメリカくらいに。向こうはメーンストリームがヒップホップ。そういう状況になればいい。

フリースタイルダンジョンとかが入り口になるわけじゃないですか。それから音源を知って「ビートがダサいよね」とか言えるまでになればいいなって(笑)。

なぜヒッポホップが流行ると思う?

それはやっぱりアメリカが流行ってるからじゃないですか?そのアメリカで定番化されてて、音楽の1番の市場だし。

海外は何か近いですよね。R&B寄りですけど、ザ・ウィークエンド(The Weeknd)が「H&M」とコラボしたり、セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)と付き合ったり、なんとなくですけどそういうところかなって思います。

最後に1つ、お客さんのファッションは気になる?

地方とかに行くと俺らに憧れてくれてるってわけじゃないですけど、「カーハート(CARHARTT)」とか自分たちと関わりの深いブランドを着てる人が多くて、めっちゃ嬉しいです。

このあいだライブに「Get Light」のPVのYOUNG JUJUのまんまのお客さんがいて、Neetzとライブ中ですけど盛り上がりました(笑)。

自分たちのことをそうやって見てくれるのは本当にうれしいです。

KANDYTOWNのファンはみんなイケてますよ。

パリ発「コーシェ」が渋谷でショー ピカチュウとサッカーの“世代を超える愛”を表現

フランス・パリ発のファッションブランド「コーシェ(KOCHE)」は、2019-20年秋冬のファッションショーを東京・渋谷のスクランブル交差点前の渋谷ツタヤ(SHIBUYA TSUTAYA)の屋上で開催した。18年春夏の原宿通り(通称とんちゃん通り)で行って以来1年半ぶりの東京での発表。先ごろパリで披露した新作コレクションに加え、「ポケットモンスター(以下、ポケモン)」シリーズ初のハリウッド実写映画である「名探偵ピカチュウ」(5月3日に日本先行公開)とのコラボレーション商品や、日本で生産した25ルックのカプセルコレクションを披露。世界中で世代を超えて愛されているピカチュウとのコラボと、コレクションテーマのサッカーを媒介にして平和を願うメッセージを発信した。

デザイナーのクリステル・コーシェ(Christelle Kocher)は「『ポケモン』は初代のゲームを幼い頃から妹と一緒に遊んでいた思い出があり、お気に入りのアニメ作品。世代を超えて世界中の人々を引きつける魅力があり、革命的なカルチャーだと思う。会場は『名探偵ピカチュウ』の舞台になっているネオンライトの輝く都会がイメージにぴったりだった。また世界的に有名な交差点であり、音楽や映画、ゲームなどの世界のカルチャーの発信地である渋谷ツタヤで発表したかった」と語る。

コラボレーションアイテムは、映画のロゴとピカチュウのシルエットをのせたサッカーユニホーム型のTシャツ2型とキャップ1型。また日本製のレースやスワロフスキー(SWAROVSKI)のラインストーンで装飾してエレガントに仕上げたピカチュウの黄色をイメージしたドレスなども制作した。

メインコレクションは “サッカーの団結力”がコンセプト。「サッカーは性別や世代、社会的地位なども関係なく人々を一つにするスポーツ」とクリステルが語るように、サッカーの選手と観戦者の情熱や団結心などのポジティブな面を表現している。「コーシェ」は18年春夏からネイマール(Neymar)ら有名選手が所属するサッカーチーム「パリ・サンジェルマンFC(PARIS SAINT-GERMAIN FC)」のユニホームをコラージュしたTシャツやドレスなどのウエアを発表しているが、今季はフランスをはじめオランダ、トルコ、ドイツ、イタリア、メキシコ、ブラジルなどの代表チームが着用する世界14カ国20チームのサッカーユニホームをコラージュに用いた。中には日本チームのものも含まれているという。ラストには「ナイキ(NIKE)」とコラボレーションしたフリルトップスとパンツも登場させた。

日本生産のカプセルコレクションは、日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)との協業で、愛知・尾州の中伝毛織の素材、東京・両国の江戸ヴァンスによるパターン・縫製で制作したもの。サッカーボールをイメージして六角形のパネルをつなぎ合わせたジャケットは「とても複雑なパターンを見事に実現してくれた」と、クリステルは日本の技術を称賛した。

モデルはブランドが得意とするストリートキャスティングを行い、日本のインフルエンサーである、マドモアゼル・ユリア、黒田エイミ、ゴールドエリカらも起用。フィナーレでは坂本九の世界的な名曲「上を向いて歩こう(別名Sukiyaki)」が流れる中をモデルたちは手をつないで退場するなど、会場は和やかな雰囲気に包まれた。

パリコレで感じた停滞感と各国メディアの講評

死去したカール・ラガーフェルド(KarlLagerfeld)氏の追悼ムードの中、2月25日に2019-20秋冬パリ・ファッション・ウイークが開幕した。逝去のニュースはパリでも大々的に報じられ、現地紙の一面から雑誌の表紙まで、そして書店の棚はいまもラガーフェルドで埋め尽くされている状況だ。死去から数週間経過した今は、愛猫シュペットが遺産約220億円を相続できるのかという陳腐なゴシップ記事が大半ではあるが……。

偉大な巨匠がこの世を去ってもファッションがとどまることはないが、一度足を止めて過去を振り返るには良いタイミングかもしれない。特に長い歴史を持つメゾンブランドは、アーカイブを引用しノスタルジーを感じさせるコレクションが目立った。ナターシャ・ラムゼイ・レヴィ(NatachaRamsay-Levi)による「クロエ(CHLOE)」は70~90年代にメゾンのデザイナーを務めたラガーフェルドにオマージュを捧げるコレクションを打ち出した。仏紙「ル・モンド(LeMonde)」のマリー・ソフィー・ナディア(Marie-SophieN’diaye)は「ロマンチックな森と架空の海といった、魔法のような風景の中を歩き回る女性は、さりげなく官能的なシルエットで再現されている。洋服からジュエリーまで、ミックス・アンド・マッチの手法は現代女性のあらゆる場面に適応する」と評価した。しかし、仏発ウェブメディア「ファッション・ネットワーク(FashionNetwork)」のゴドフリー・ディーニー(GodfreyDeeny)は「現代的な女性性や、洗練された自信にあふれるスタイルだが、ラガーフェルドが大切にしていた“つつましさ”は見当たらない。どうやらレヴィは良い塩梅というのを知らないようだ」と少々辛口のコメント。

マリア・グラツィア・キウリ(MariaGraziaChiuri)による「ディオール(DIOR)」は50年代戦後の英国にいた力強い女性たちからインスピレーションを得て、メゾンのコードと現代的なテキスタイルを組み合わせ、引き続きフェミニストの要素が強いコレクションに仕上げてきた。「ファッション・ネットワーク」の取材に対しベルナール・アルノー(BernardArnault)LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMHMOETHENNESSYLOUISVUITTON)会長兼最高経営責任者(CEO)は「今までの中でも一番の出来だ。メゾンのデザイナーとして本当に大きく成長していると感じる」と語り、各仏メディアからの講評も上々だった。世相を反映させ、現代女性の心情を汲み取りながら、商業的にも成功を収める「ディオール」の勢いはいまだ衰える様子はない。

エディ・スリマン(HediSlimane)による「セリーヌ(CELINE)」は、前季の賛否両論が嘘のように、満場一致の高評価だ。コレクション自体もナイトシーンをテーマにした前季とは対照的に、70年代のブルジョア階級のパリジェンヌのようなスタイルがメインとなった。特にアクセサリーなどは、1945年に創立された歴史あるメゾンのアーカイブの要素を取り入れているようだ。前回スリマンを「一つの芸しかできない子馬」と批判した米ウェブメディア「ファッショニスタ(Fashionista)」のアリッサ・ヴァーガン・クライン(AlyssaVirganKlein)は「新旧の『セリーヌ』の顧客の買い物意欲をそそる素晴らしい作品。前季から今季の変貌ぶりを“おとり商法”だと言うのはやめておこう。おそらく古くからの顧客の意見に耳を傾け、彼らを優遇した結果だろう」とトゲを含ませつつ称賛した。「ニューヨーク・タイムズ(TheNewYorkTimes)」紙のヴァネッサ・フリードマン(VanessaFriedman)は「ユーモアよりも真面目なことで知られるスリマンだが、今季は前季から続いた壮大な喜劇の“オチ”をつけてきたようだ。前回彼を罵倒した、筆者を含むジャーナリストらの鼻を明かす見事なコレクション。世界が混乱する状況下で先行きを予測して結果を出すのは困難だが、彼はどの方向が正しい道か賭けに出たようだ」と率直に評価した。ストリートウエアからエレガンスへと移行する人々の心を、タイミング良くつかんだスリマンのカリスマ性は、認めざるを得ないのではないだろうか。「セリーヌ」のヨーロッパ市場のセールス担当を務める友人は、スリマンによるファーストコレクションは大幅に売り上げが落ちたが、今季は期待できそうだと胸をなでおろしていた。

今季も新しいクリエイティブ・ディレクターを迎えて一新したブランドが多々あった。「ロエベ(LOEWE)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「パコ・ラバンヌ(PACORABANNE)」で経験を積んだベテランのブルーノ・シアレッリ(BrunoSialelli)による「ランバン(LANVIN)」、「ボッター(BOTTER)」のラシュミー・ボッター(RushemyBotter)とリジー・ヘレブラー(LisiHerrebrugh)の若手デザイナーデュオを抜擢した「ニナリッチ(NINARICCI)」、「ジョゼフ(JOSEPH)」に9年在籍したルイーズ・トロッター(LouiseTrotter)による「ラコステ(LACOSTE)」。それら全てのブランドが、まるで一種の通過儀礼であるかのように「アーカイブを探求した」と語る。

現代においてアーカイブは、新しいファッションの先導役を担っているようだ。過去のデザインは遺物ではなく、未来のクリエーションの基盤となる。メゾンにおいて既存デザインの模倣という手法は、ビジネス的観点からも間違ってはいないし、新しさと古さを繋ぐさじ加減は実際難しいもの。しかし、新しいデザインや概念を生み出すというデザイナー本来の創造的欲求が満たされるのか、そして“本質的に新しいもの”が生まれているのか、筆者は疑問だ。本来、懐かしさや親しみよりも目新しさに熱狂し、未来へと向いているはずのファッションだが、リバイバルやアーカイブが幅を利かせ人々が懐古主義へと傾倒するのは、将来への希望が薄いからだろうか?アーカイブが新世代にとって目新しいデザインとして捉えられ売り上げたとしても、本当の意味でファッションが進化していると言えるだろうか?過去は未来よりも魅力的なのか……?

流行が繰り返すこととファッションの進化は別物だが、その線引きが曖昧になっている。歴史を重んじ過ぎる、もしくは数字に重きを置き過ぎるあまりに、革新的な挑戦ができず、どこか停滞しているように今回のパリコレで感じた。懐かしさに浸り過去の栄光を称えるのは手っ取り早く幸せを感じ自尊心を保てる方法だが、筆者自身はそれに多くの時間を費すのはやめておこうと思う。故きを温ねて新しきを知る。先人の知恵から学んだことは、未来のために活かさなければいけない。たとえ不安定で先行き不透明だとしても、やはり未来に期待をかけて、常に前進したいと思う。

セレクトショップの2019年春夏立ち上がり、何が売れた

有力セレクトショップのウィメンズ春の立ち上がりでは何が動いたのか?各店にアンケート調査を実施した。第3回はトゥモローランド(TOMORROWLAND)渋谷本店の安間早季子ウィメンズマネージャーが答える。
「サカイ」のサロペット

2月初旬にほかの店舗に先駆けてスタートし、仕入れ品もオリジナル品も共に好調。高単価商品が動いたため、客単価は通常よりも高い。アウターはトレンチコートが動いた。「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」の別注トレンチコートとオリジナルのトレンチコートをミックスして打ち出し奏功した。買い付けアイテムでは「サカイ(SACAI)」に好反応で、特にドットシリーズのサロペットやスカート(いずれも9万8000円)が人気を集めた。

新規導入した「ボーメ」のルックブック。2019年春夏は、太陽を浴びたヘルシーな素肌、壁や床に映る美しいシルエット、カジュアルな空気をまとうセンシュアルな女性をイメージしたという

新規導入した「ボーメ(BAUME)」のポップアップイベントも顧客にアピールできた。女性のしなやかなラインをセンシュアルに表現するブランドで、素材は上質なシルクやリネンが中心。価格帯は3万~7万円台。

雑貨は「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のサンダル(6万7000円、11万円)、「マルニ(MARNI)」のサンダル(7万6000円)、「ロエベ(LOEWE)」のかごバッグ(スモール4万6000円)が動いた。

昨年9月にスタートしたオリジナルブランド「キャバン(CABAN)」も好調で、特にコットンカシミアのパーカ(3万9000円)はシーズンを問わず動く。絶妙なサイズ感と着心地のよさ、加えてカラーバリエーション豊富にそろえたところ主力商品になっている。

「シュプリーム」 × 「ザ・ノース・フェイス」、名作ダウンを含む全5型をラインアップ

シュプリーム(SUPREME)」は10月21日、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」とのコラボコレクションを発売する。「ザ・ノース・フェイス」の名作ダウンジャケット“ヌプシ(NUPTSE)”をはじめ、ダッフルバッグ、デイバッグ、ウエストバッグ、グローブの全5型をラインアップ。全てイエロー、レッド、ブラックの3色を用意し、素材に牛革を使用している。イメージビジュアルには、コラボ“ヌプシ”を着用したスケーターのセージ・エルセッサー(Sage Elsesser)を起用した。

価格は全て未定で、「シュプリーム」旗艦店とドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)およびオンラインストアで取り扱う予定だ。

なお、「シュプリーム」は10月中に「AKIRA」や「スチームボーイ」の作者として知られる大友克洋とのコラボコレクションの発売が噂させている。

パリコレ一番の熱気は「オフ-ホワイト」にあり

パリコレが終わり、振り返ってみると一番熱気を感じたのは「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」でした。ショー前には「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」や「ナイキ(NIKE)」とのコラボ商品をパリで発売し、ショー後には香水ブランド「バレード(BYREDO)」のベン・ゴーラム(Ben Gorham)との新プロジェクト「エレベーター ミュージック(Elevator Music)」を立ち上げ、話題をさらいました。

パリコレ期間中にはギャラリー・ラファイエット(GALERIES LAFAYETTE)の中央吹き抜け広場でコラボシューズのポップアップショップを開いていて、外壁にも大きく「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」とのコラボポスターが飾られていました。ル・ボン・マルシェ(Le Bon Marche)でもカフェ付きのポップアップストアを開き、オーガニックフードの「ワイルド アンド ザ ムーン(WILD & THE MOON)」とコラボして、スーパーフードを使ったドリンクやフードを提供していました。老舗百貨店2店舗で同時に大規模な企画を行い、ここでも勢いを感じました。

また、あらゆるブランドのショー会場で「オフ-ホワイト」を着用している人を見かけました。ブランドのショー当日、カンボン通りの会場にはブランドの服を着用した若者が招待状を持たずに入場しようと押しかけていました。そのため、招待客がなかなか入れず、人が倒れるなど大混乱が起こっていました。人だかりが道を埋め尽くし、警察官が歩行者と車を誘導。やっとのことで入った会場は、まるでライブ会場のように湯気が見えるくらいの混雑ぶりでした。

コレクションの女性像は、ニューヨークのウエストヴィレッジに住む“じゃじゃ馬娘”(笑)で、裕福でパーティー好きだけど、週末には乗馬を楽しむ一面を持つお嬢さまです。そんな彼女のためのエレガントに見えつつ肌見せするアイテムと、乗馬にインスパイアされたスポーティーなアイテムをミックスしています。テイストのバリエーションは幅広く、ロゴ入りTシャツなどの“カジュアル”、ボディースーツなどの“スポーティー”、テーラードスーツの“クラシック”、イブニングドレスの“フェミニン”の4つの軸に分けることができます。

“クラシック”で目に留まるのは、テーラードのジャケットやドレスにジャカードで施されたり、デニムの上にプリントで表現された乗馬する人々の柄。よく見てみると、背中には「オフ-ホワイト」のロゴが配されています。クラシックなチェックのコートとスーツに入れた“3”の数字のワッペンも騎士からイメージしています。“フェミニン”なセクションのダブルフェイスのカシミヤケープは、職人の手作業でまつり縫いが施されていて、数十万円するとても贅沢な一品。“スポーティー”のタイトなニットドレスも豊作で、シルエットがとてもきれい。実は有名ラグジュアリー・ブランドと同じ工場で生産しているそうです。

「オフ-ホワイト」といえば、“ストリート”の印象が強いかもしれませんが、前シーズンの「ジミー チュウ」とのコラボを見て分かるように、シーズンごとにエレガンスの割合も強くなってきています。セールス担当者の話によると、デビュー当初からドレスは作り続けているとのことですが、ファーストルックからドレスだった昨シーズンは特にその印象を強くしたと思います。

今季もバッグ&シューズの新型がたくさん登場していました。特に人気が出そうなのは、イタリアのスーパーマーケットにある赤いショッピングバッグから着想したという大きなトートバッグ。ハンドル部分がマグネットになっていて、大きく口が開くのが特徴。かなりの容量で旅行にもぴったりです。シューズは “FOR RIDING”の文字を載せたジョッキーブーツをはじめ、スカーフ付きのヒールシューズ、スポーティーなスニーカーなど種類豊富にラインアップしていました。

ベテラン販売員が渾身の接客披露 ユナイテッドアローズが社内ロールプレイング大会実施

ユナイテッドアローズ(UA)は20日、接客ロールプレイング大会「束矢グランプリ」を東京・新宿の京王プラザホテルで開催した。これまで比較的若手の販売員が活躍する大会だったが、今回10回目を記念し、ベテラン販売員を各事業部から選出。予選を勝ち抜いた9人が最終審査に臨み、ワークトリップ アウトフィッツ グリーンレーベルリラクシング 札幌ポールタウン店の目黒栄さん(34歳)が優勝した。2位にはUA 六本木ヒルズ店の綾部由美さん(40歳)が、3位にはオデット エ オ ディール 名古屋ラシック店の宮田恵さん(35歳)が受賞した。

審査員は竹田光広社長を含め7人が務めた。今回の審査ポイントは「提案」。購買の有無にかかわらず、コーディネートや情報の提案を通し、テーマとする「創造的商品〜またこの人に接客してほしい〜」を競った。

竹田社長は、「こだわるリアルな接客と、削ぎ落とした接客にフォーカスした。もう一つは、買うその瞬間だけのコーディネートではなく、購入の後のアフターコーディネートに重きを置いた」と審査を振り返る。結果、「上位者は僅差だった」という。「賞を獲得した人もそうだったが、接客は来店客の要望、店舗スタッフの生の声を取り入れ、半歩先をゆく不足感に応えられた商品を、自信を持ってお客さまに薦められていた。シーンを想像した上で、着たことのない、出合ったことのないコーディネート提案が、この人からもう一度、接客を受けたいという思いにつながっている」と語った。

優勝した目黒さんは入社11年目。今回の大会は「緊張しなかった」と語り、接客で心がけていることは「商品を通してお客さまがどうなるかを考えています。ここに一番時間を費やしています。生活が豊かになるかどうかを考えないといけないと思います」と語る。

2位の綾部さんは入社18年目。「服は着るために購入するものではなくて、着て何をするのか、どんな気持ちになるのかを想像して接客します。お買い上げいただいた後、その服を着て『ハッピーな体験ができました』と聞けたらうれしいです」。

3位の宮田さんは入社9年目。「買っていただいた後の時間もお客さまとつながっていく。長い時間、お願いしますという気持ちで接客しています」と熱い思いを語った。

10年を迎えた束矢グランプリや、他商業施設などのロールプレイング大会はECが台頭する中で、そのあり方が問われている。竹田社長は、「昔は通勤帰りの18時以降の来店が一番の賑わいをみせていたが今は、20時以降は家に帰ってECサイトを見るなど環境が変わっており、その変化に対応しなければならない。実際の接客のあり方は、今日のお客さまの顔を見て、勇気づけたり、気持ちに寄り添ったり、買うだけじゃないコミュニケーションが大事だ」とした上で、「ロールプレの是非について、グループ会社はやめているところもあり、議論しているところだ。ただ、UAは、仕事に対するモチベーションの向上にもつながるため、他の商業施設のロープレにはないさまざまな要素を加えず行うロープレとして、現場からやってほしいという声が上がっている。当面は続けて行きたい」と語った。

ストデパがメディア力を強化、クリエイティブ・ディレクター職を新設

ストライプインターナショナルが運営するECモール「ストライプデパートメント(STRIPE DEPARTMENT)」は1周年を記念し、15日から人気デザイナーブランドとコラボした限定アイテムの販売やポイントアップなどのキャンペーンを開始する。また2019年春夏より、同ECの強みであるハイエンドブランドのラインアップをさらに拡充し、2月からクリエイティブ・ディレクター職を新設する。

限定販売するアイテムは、久保嘉男手掛ける「ミュラー オブ ヨシオクボ(MULLER OF YOSHIO KUBO)」の身頃がカットソー素材のブラックドレス(3万4000円)、大ぶりなハンカチーフスリーブのトップス(2万5000円)などのアパレルの他、「ジョンマスターオーガニック(JOHN MASTERS ORGANICS)」のローズの香りのハンドクリームやヘアミルクのセット(8000円)などビューティアイテムを展開。通常の11倍ポイントアップ(15~17日)や最大2000円分のクーポンが当たるルーレット(18~20日)などのキャンペーンも実施する。

19年春夏からは、「マルニ(MARNI)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」「レッド ヴァレンティノ(RED VALENTINO)」「ラグ&ボーン(RAG & BONE)」「シーバイクロエ(SEE BY CHLOE)」「ピエール アルディ(PIERRE HARDY)」の計7ブランドが加わる。

クリエイティブ・ディレクター兼編集長には「WWDジャパン」「WWDビューティ」元編集長の都築千佳氏が就任する。ファッション・ビューティの垣根を超えた提案や、パーソナルなサービスをさらに強化する。

石川康晴・社長は「『ストライプデパートメント』は1年間で800以上のブランドを取扱い、ハイブランドにも多く参画するこれまでにはないECデパートメントになった。今後は、リアル店舗でのポップアップなど、さらにお買い物を楽しんでいただける仕掛けに取り組む。地方在住のお客さまや、忙しいワーキングマザーのため、百貨店のようなショッピング体験ができる場を提供していきたい」としている。

“最先端のストリート女子”はここにいる! 「オフ-ホワイト」来場者はネオンカラーと肌見せ

「ヴァージルの全てが好きなんだ。彼の生み出すクリエイションや音楽性を、言葉にならないほど尊敬している」。そう語るのはショーには招待されていないが、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」のブランドの服を身につけて会場に訪れたパリに住む黒人の男子学生だ。

「オフ-ホワイト」ではメンズとウィメンズでパリコレに参加し、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」メンズのアーティスティック・ディレクターを務めるデザイナーのヴァージル・アブローを“ヒーロー”と崇めるファンは多い。2月28日に屋外競技場のアコーホテルズ・アリーナ(通称ベルシー アリーナ)で開催された2019-20年秋冬ウィメンズのコレクション会場には招待客以外にも100人近くのファンが駆けつけていた。

「オフ-ホワイト」を着た女性来場者の大半は最新の19年春夏を着用しており、スポーツムードが全開だった。雨で風が冷たい夜にも関わらず寒さに負けずに、クロップドトップスでヘソ出し、ブラトップ姿でサイクルパンツやトラックパンツを合わせて大胆に肌見せするスポーティーカジュアルのスタイル。ネオンイエローやオレンジなどの蛍光色を差し色に取り入れながら、足元は“FOR WALKING”のロゴが入ったサイハイブーツや「ナイキ(NIKE)」とヴァージルのコラボによる「THE TEN」のスニーカーを合わせているのがポイント。定番アイテムであるブランドのロゴ入りのベルトの着用率も高かったが、 黄色の“イエロー インダストリアル ベルト”ではなく、ゴム素材でできた半透明の“ラバー インダストリアル ベルト”をつけているのが今季の傾向だった。男性客も足元はスニーカー、ブランド名のロゴ入りのパーカなどを着用していた人を多く見かけた。

人々のリアルを描いたDr.MartensのAW14フィルム

1960年に誕生以来、様々な世代やシーンから熱いラブコールが絶えないDr.Martens。自分らしくいるためのものとは何か、というメッセージが込められた”STAND FOR SOMETHING”をコンセプトに、個性を重視したキャンペーンを実施中!

その取り組みのひとつとして今、話題を呼んでいるのがイギリスを拠点に活躍するアーティスト達をフィーチャーしたオリジナルフィルム。撮影にはフォトグラファーのジェームス・ピアソンが参加し、ワットフォード出身のバンドのThe Spitfire(ザ スピットファイアー)、インディロックバンドのFamily Rain(ファミリーレイン)、ヴィヴィットなヘアカラーが可愛いフットウェアデザイナーのルナなど、計8名のリアルな姿にフォーカス。彼らのライフスタイルに溶け込むDr.Martensがより一層素敵なシューズに見えるはず。またムービーの中に登場する初めてDr.Martensを履いた時や彼らにとって大切な瞬間を押さえた、メモリアルショットも見所のひとつ。

このムービーをチェックしたら、みんなも自分のリアルな姿やファーストマーチンについて考えみてはいかが?