テーラードジャケットで半歩先行くコーデを作る

ポケットといえばミリタリーやサファリテイストに良く見られるディテールだが、ピッティスナップ常連で今回も洒脱な装いで多くの目線を集めたロベルト・マラーロ氏が着用していたのは、テーラードジャケットにハイブリッドしたモデル。一般的なテーラードジャケットよりカジュアルで堅苦しい印象を与えないながら、テーラードジャケットならではのきちんと感もしっかりと携えている優れモノだ。御仁のスタイリングのようにドレッシーにキメるもよし、ラフな格好に羽織って休日コーデを構築するも良しと使い勝手バツグンのため、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか?

オッドジレを取り入れてスーツ・ジャケパンスタイルのイメージを刷新!
ピッティ ウオモ会場で多く見られたのが、スーツやジャケパンにオッドジレを組み合わせた着こなし。特に柄物のオッドジレを差し込んだ御仁が多く、ドレッシーな雰囲気を底上げするとともに奥行き感のあるコーデに仕上げていた。クラシカルな英国調や夏らしさ満点のストライプなど、柄によって千差万別の印象をもつため、ジレを取り入れたスタイリングを思い思いに構築してみてはいかがだろうか。

リネン混のシャツジャケットをさらりと羽織ってエフォートレスをキープしながら大人っぽさを加味!
シャツのボタン開けやベルトレスなどのこなしで寛ぎ感たっぷりに仕上げたこちらの御仁。抜け感がTooMuchにならないよう、シャツの上からリネン混のシャツジャケットをさらりと羽織っているのがポイントだ。ボトムスもリネン混のパンツをチョイスして上下の合わせに統一感をもたせながら、軽快感をより一層演出している。

飛行船をモチーフにしたロマン溢れる腕時計、ツェッペリン

ドイツの時計メーカーの中でも、他にはないブランドコンセプトで独自の地位を確立しているツェッペリン(ZEPPELIN)。唯一無二のデザインセンスで、日本でもその人気を年々高めている。今回は、クオリティ重視の時計メーカー「ツェッペリン」にフォーカスして、その魅力や定番モデルを紹介!!

ツェッペリンは、1987年にミュンヘンで発祥した時計メーカーだ。ドイツの時計メーカーと言えば、グラスヒュッテの地を起源としたある意味で”同族意識の高い”ブランドが多いイメージがあるが、ツェッペリンだけは独自の路線を突き進んでいる。飛行船をモチーフにしたフォルムや文字盤デザインに加え、スイス製ムーブメントで高い精度を実現。ドイツメーカーらしい品質主義とスイスの技術力を兼ね備えながら、本格的な機械式時計とは思えない良心的な価格設定も大きな魅力だ。現在ではヨーロッパやアメリカなど世界30か国で販売され、日本でも高い人気を誇っている。

ドイツが誇る飛行船「ツェッペリン(Zeppelin)号」が、ツェッペリンの時計デザインを始めとするブランドコンセプトである。ツェッペリン号は、1900年にフェルディナンド・フォン・ツェッペリン(Ferdinand Graf von Zeppelin)伯爵が完成させた”硬式”飛行船。それ以前の従来の軟式飛行船は、ガスの圧力で外形を維持しながら飛ぶというものだった。ガス袋そのものを船体としていたため変形しやすく、飛行速度が遅いのが欠点である。それに対し硬式飛行船はアルミニウム合金などの軽素材で骨格を作り、その上へ麻や綿の布を張るという構造。これにより船体の外形を保持することができ、軟式飛行船とは比較にならないほどの高速飛行を実現した。さらに大型化も可能となり搭載貨物が増大し、新たな輸送手段として革命を起こしたのだ。

ツェッペリン号の開発は人類にとってあまりにも偉大で、結果的に「ツェッペリン」という言葉は慣用的に「硬式飛行船」のことを指すようになった。ツェッペリン伯爵の意志を次ぐツェッペリン社は、その後も歴史的な飛行船を次々と開発するが、ナチス党との対立により1930年代半ばに国有化されることとなる。それから約50年の時を経て、時計メーカー「ツェッペリン」が誕生。このブランドのコレクションは、丸みを帯びたガラスやパイロットウォッチらしい文字盤など、飛行船ツェッペリン号を思わせるデザインが随所に込められている。何より、他人からどれだけ不可能だと嘲笑されながらも硬式飛行船を完成させた、ツェッペリン伯爵の発明家精神と製品に対する情熱を受け継いでいるのだ。

飛行船の機体をイメージした柔らかなアーチを描く風防はまさにこのブランドの時計ならでは。文字盤には黒や白、アイボリーなど、当時のツェッペリン号の船体に近いカラーを再現している。特殊な技法によって着色された文字盤や、ハンドメイドセッティングなどを駆使した製造工程で、価格に見合わぬ高級感を醸し出している。

また、デザインセンスの高さが注目されがちなツェッペリンの腕時計だが、性能に関しても折り紙つき。時計の心臓部を司るムーブメントには、スイスのETA社やRONDA社といった企業が製造する、一流時計ブランドも御用達の高品質ムーブメントを採用。力強い見た目に相応しい高精度で、ドイツブランドらしい品質第一主義を体現しているのだ。

ツェッペリンのコレクションの中で最も代表的なものが、「100周年記念モデル(SPECIAL EDITION 100 YEARS ZEPPELIN)」だ。通常、腕時計の○○周年記念モデルと言えばそのブランドの創業年から数えるもの。ところがツェッペリンが指す100周年とは、他でもないツェッペリン伯爵が開発した世界初の硬式飛行船ZEPPELIN号の第一号船のことである。第一号「LZ1」は、1900年7月2日に南ドイツの美しいボーデン湖畔のフリードリヒスハーフェンの大空を飛び、初飛行を成功させた。100周年記念モデルは、その「LZ1」の機体をデザインのベースとした、ドーム型ガラスやタキメータースケールが最大の特徴である。
シリーズには2つ目や3つ目のサブダイヤルを備えたクロノグラフや、シンプルな3針デイトモデル、文字盤上からムーブメントの動きが鑑賞できるスケルトンモデルなどの魅力的なラインナップが並ぶ。全てのモデルに共通して、ドイツ語で「100周年」を意味する「100Jahre」の文字がダイヤルに配されている。高貴な雰囲気の、先端の丸いブレゲ針も特徴だ。大空を自由に飛ぶという人々の夢を叶えた、「LZ1」の誇りを感じさせる完成度である。

1924年にドイツ、フリードリヒスハーフェンのツェッペリン工場で建造された「LZ126」という飛行船の歴史を讃えて誕生した「LZ126 ロサンゼルス(LZ126 LOS ANGELES)」。モデル名に”ロサンゼルス”の名がつくのは、「LZ126」がドイツ政府からアメリカへと譲渡された飛行船だからである。長距離便として開発された史上初の旅客飛行船で、わずか81時間で大西洋を横断に成功したことから世界的なニュースにもなった。そんな「LZ126」をモチーフとするこのシリーズは、計器をイメージさせるタキメーターや、クラシカルなビザン数字のインデックスが魅力。
文字盤のバリエーションも多彩で、中には昨今のクロノグラフには珍しい、心拍数を計測するパルスメーターを備えたモデルも。シリーズに共通して採用されている流線的な針はビザン数字インデックスと非常に相性が良く、ツェッペリンの中でも特に知的な雰囲気を演出している。

全長235m、航続距離1万kmという1928年当時世界最大を誇った「LZ127」。グラーフツェッペリン(ツェッペリン伯爵号)の愛称で親しまれるこの機体は、米国ニュージャージー州から世界一周の旅に成功した。ドイツの技術力を世界に知らしめたこの飛行船にちなんで、「LZ127 グラーフツェッペリン(LZ127 GRAF ZEPPELIN)」シリーズは開発されたのである。ムーブメント観賞用の穴を空けたオープンハートとも呼ばれる意匠が特徴で、クオリティ第一主義のドイツ時計らしさを視覚でも楽しめる。

「LZ127 グラーフツェッペリン」と同じく、飛行船「LZ127」をインスパイアして作られた「ノルドスタン(NORDSTERN)」。1931年に成し遂げられた北極への調査飛行をデザインのモチーフとしており、北極の景色をダイヤルカラーに表現している。広大な雪原を思わせる純白の文字盤や、深いブルーの海を表した文字盤カラーは実に独創的。

大西洋横断の定期旅客便として作られた「LZ129」。飛行機の中で歴史上最も大きい245mという機体には、ラウンジやダイニングルームを完備。ピアノによるコンサート空間も備えた、史上初の航空機型豪華客船として知られていた。そんな贅を尽くした飛行船をモチーフとする「ヒンデンブルク(HINDENBURG)」は、当然ながらエレガントなデザインが特徴。ムーンフェイズやカレンダー機構を備えたモデルもラグジュアリーだが、シンプルな3針モデルもこの上ない気品に溢れている。

ツェッペリンのコレクションの中で最も代表的なモデル「7680-1N」。1900年に誕生した、ZEPPELIN飛行船の第一号「LZ1」の100周年を記念したシリーズだ。「LZ1」の機体をデザインソースにした丸みを帯びたダイヤルやドーム型のガラスが特徴。ダイヤルにはドイツ語で「100周年」を意味する「100 Jahre」の文字が配されている。

「LZ1」の100周年を記念したシリーズの3つ目クロノグラフモデル。飛行船をイメージして創られたサテン仕上げのケースは、ドイツの職人によってハンドメイドで組み立てられている。代名詞であるドーム型のサファイアクリスタルガラスはもちろん素晴らしいが、極限まで狭く作られたベゼルも秀逸。ETA製の機械式ムーブメントを採用しており、スケルトン仕様のケースバックからその動きを鑑賞できる。3時位置に30分カウンター、6時位置に12時間カウンター、9時位置にスモールセコンドのサブダイヤルを配置。他にも外周にタキメーター、デイト表示窓、ブランドロゴや「100 Jahre」の文字などの全てがデザインの役割を果たしている。これだけの情報をひとつの文字盤に収めながら、高い視認性を確保しているあたりが流石ドイツの技だ。

ブラック文字盤とアラビアンインデックスがモダンな印象の、2カウンタークロノグラフ。丸みを帯びた風防にはミネラルガラスを採用。ゴールドに輝く重厚な42mmケースが、男の腕を力強く飾る。60分カウンターとスモールセコンド、デイト表示を備えながら、クォーツムーブメントによって低価格を実現している。

6時位置にデュアルタイムを表示するサブダイヤルを配したモデル。すっきりとした文字盤デザインで、ブレゲ針のエレガントさが際立っている。12時位置のビッグデイトも存在感抜群。を示す数字に施された装飾も、シンプルながら実に独創的だ。高級感のあるブラウンのカーフレザーブレスレットも、文字盤の雰囲気にぴったり。

大胆に空けられたスケルトン文字盤が絶大なインパクトを放つ逸品。計算しつくされた装飾美の、メカニカルな雰囲気を思う存分堪能できる。約4mmの肉厚なミラネーゼブレスレットも、このモデルのコンセプトを最大限活かしている。スーツスタイルからカジュアルな場面まで、あらゆるシーンに着用したい腕時計だ。

当時前例のないスピードで81時間で大西洋を横断に成功した飛行船をモチーフにした、「LZ126 ロサンゼルス」シリーズの一本。クラシカルなアイボリー文字盤に、青と赤で記されたタキメーターが独特な雰囲気を醸し出す。ビザン数字インデックスとアンティーク調の時分針によって、一般的なクロノグラフにはない繊細な美しさを有している。稀少なコードバンレザーのストラップもとても優雅。

贅のかぎりを尽くしたと言われている大型旅客飛行船をモチーフにした「ヒンデンブルク」シリーズのモデル。3時位置には”日”を指し示すカレンダー、9時位置には曜日を示すサブダイヤル、そして6時位置には月の周期を描画で伝えるムーンフェイズを搭載している。さらに外周部分には”週”が表示されており、三日月形の針が指し示す設計だ。滑らかなミラネーゼブレスがラグジュアリーな雰囲気を後押ししており、まさにモチーフ通りの贅沢な仕上がりとなっている。

ツェッペリン社が製造した歴代飛行船の中でも代表的な機種の名前を冠された、「LZ127 グラーフツェッペリン」の中の一作。自動巻きムーブメント「Cal.82S5」を搭載しており、6時位置に設けられたオープンハートからその精巧な動きを堪能できる。そのオープンハートと重なるような形でスモールセコンドが配されており、絶妙な調和が取られている。ツェッペリンのデザインセンスとムーブメントの造形美を余すこと無く味わえるモデルだ。

1931年の北極探査からインスピレーションを受けて誕生した「ノルドスタン」シリーズの青文字盤モデル。北極飛行を成し遂げた乗船員が心を打たれたと言われる、最果ての海をイメージした深いブルーが特徴。縦軸に2つのサブダイヤルが配されており、大きめのスモールセコンドと小ぶりな12時間カウンターのバランス感覚が絶妙である。文字盤色に合わせたブルーのカーフレザーも味わい深い。計算された色使いで、思わず目を奪われる逸品だ。